月をめぐる米中冷戦が徐々にヒートアップしてきています。
アメリカでは、中国が月を支配すると警告する発言も出ています。
中国の宇宙開発
中国は宇宙開発に積極的に取り組んでいます。
まずはそのロードマップを確認しておきましょう。
2022年宇宙ステーション
2022年には、中国宇宙ステーション「天宮号宇宙ステーション(Chinese Space Station,CSS)」が完成。
コアモジュール「天和」(てんわ)、実験モジュール「問天」(もんてん) 「夢天」(むてん)」から構成され、規模的には旧ソ連のミュールに匹敵する規模となっています。
中国の宇宙開発については、中国の専門家でもある遠藤誉さんの著書が詳しいです。
この本によれば、国際宇宙ステーションの運用については中国は意図的に阻害されてきたようです。
それもあってか、中国では独自ステーションの開発に精力的に取り組んできました。
2024年 月探査
月の南極を探査する嫦娥6号・7号を打ち上げ予定。
2027年の嫦娥8号では、月面基地建設に向けて本格的に始動するようです。
2028年 月面基地完成
中国では月面基地の建設も予定しています。
アメリカへの対抗もあって、2030年台とされていた基地完成を前倒ししていくようです。
中国、月面基地の完成を「28年頃」に前倒し…米「アルテミス計画」に対抗 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
米中冷戦
NASAの局長は、これら中国の動きから、「月の領土を先取りするのではないか」と警告を発しています。
NASA「中国、月で領土先取りし米国追い払う恐れも」 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
米宇宙軍のアルマーニョ参謀長によれば、「中国は当然宇宙技術でわれわれを追い越すことができるとみている。彼らの発展速度はあまりに衝撃的な水準」と発言しています。
また上記で紹介した遠藤誉さんの著書によれば、月と地球間のラグランジュ点の測定・特定は極めて難しいそうです。
ただ中国はこれに成功しており、アメリカの科学者から逆に教えを乞われているほどのレベルとなっているとしています。