長いデフレ時代が終焉し、ひさしぶりのインフレとなりました。
今後このインフレが定着するのではないかと予想する人もいます。
(これは2014/10/23の記事を再掲したものです)
金利とは?
Annual Appreciation Rate of Bonds - Investment Strategies for Retirement / aag_photos
金利とは、お金を借りる場合の利率になります。
利率が低いと、金利負担が少なくて済みます。
住宅や自動車のようにローンを組む場合が多い商品では、金利が下がってくると買いやすくなります。
逆に、金利が高くなれば、当然金利負担が増えます。
個人では住宅や自動車などの高額商品の買い控えにつながります。 企業なら、新たな設備投資を見送ることも増えるでしょう。
金利は経済に多大な影響を及ぼします。各国の中央銀行は、定期的に会議を行い、金利を決定しています。
金利をコントロールすることで、経済の方向性を誘導することができます。
景気が悪い時は金利を下げることで下支えします。
素朴な疑問としては「金利をずっと低く設定する」と景気もずっとよさそうなものです。
ところが、景気が過熱して製品の出荷が好調すぎれば、材料が追い付かず、結果的に材料の値段がどんどん上がるかもしれません。
雇用が増加しすぎて失業率が減ってしまえば、人を雇うための費用が高騰していしまいます。
インフレが強くなれば逆に経済にダメージを与えてしまいますので、中央銀行は金利を上げて景気を抑制していくことになります。
ただし、中央銀行が直接決定できるのは短期金利だけです。
長期の金利は、市場が決定していくことになります。
コモデティ
Chicago Bridge & Iron Co. at Lago plant, Aruba / SMU Central University Libraries
金利上昇期では、石油や資源などのコモデティ価格が上昇する傾向が強いです。
いわゆるサービス業は価格転嫁は難しいですが、「石油を買うな」というのはまだ難しいところです。
資源に関連した株式を購入することで、インフレヘッジをすることができます。
コモデティでは
・オイル関連
・鉄鉱石関連
・ゴールド関連
・農産物
などのジャンルが考えられます。
併せて商品取引相場の利用も考えられます。
銀行・金融
Greater Boston Food Bank / jronaldlee
銀行セクターでは、長期金利の上昇によって貸出利ざやが拡大します。
結果として利益が増加します。
そのため、金利上昇で業績改善が期待されます。
ただし最近の銀行は、貸出先が増えていません。 為替などのトレードで利益を出しているようなところもあります。
貸し出しでの売上比率がどのぐらいなのかチェックしていく必要があるでしょう。
保険業も運用利回りの改善が期待されます。
こちらも運用難で、ベンチャーファンドへ投資をつっこんでいるところもあります。
利益配分などで、会社の売り上げ構造を吟味してから投資する必要があります。
IT企業
ヤフーやクックパッドなどのIT企業は、製造業のような設備投資は大きくありません。
借入金もないか、あっても少額と思われます。
このような企業では、金利上昇で金利負担が増えて足を引っ張るということは少ないでしょう。
金利上昇で景気が弱くなれば、外出を控えてネットで暇つぶしという時間も増えるかもしれません。
そうなるとゲームや動画サイト関連の企業も注目されるかもしれません。
インフレ連動債
インフレ率を加味して変動する債権も、金利上昇時には便利な商品といえます。
ただし細かいルールなどを吟味したうえで投資しないと、思った通りの結果にならない可能性もあります。 ある程度知識のある方でないと、難しいかもしれません。
金利上昇時に下がるセクター
金利上昇に弱いセクターというものがあります。
これらをショートすることで、金利上昇時のリスクヘッジにする方法も考えられます。
借入金の多い企業は、借金返済のための金利負担が大きくなり、収益が圧迫されます。
また、金利上昇時は新規の設備投資が減ってきます。 工場建設や半導体検査装置などの設備投資銘柄は不利になります。
住宅の新規着工数も減少するため、住宅、建設、内装などのメーカーも避けた方がいいかもしれません。
インフレ気味になれば、当然オイルなども上昇します。燃料価格の上昇は農業から建設・製造業にいたるまで幅広く影響を及ぼします。
飛行機から銭湯まで、大量の燃料を消費している企業の業績は悪化しやすいです。
株式市場全体での資金流入も細る可能性があります。
そのため、金利上昇時に大型株は不利といわれています。 人によっては、好業績の中小株を選好するようです。