預金封鎖の対策として期待される可能性のある銘柄をピックアップしてみました。
NHKではなぜか急に「預金封鎖」の話題を取り上げたため、逆に多くの人の話題に上りました。2015年3月の週刊ポストでも預金封鎖を記事にしています。
果たして日本で預金封鎖が起きるのか。 起きるとしたら、どんな銘柄を持てば防衛できるのでしょうか。
預金封鎖は起きるか
GREEKS PROTEST AUSTERITY CUTS / PIAZZA del POPOLO
日本国には多額の借金があり、運営は持続不能だろうとみる人もいます。
国の借金が、国民の保有する金融資産額を超える場合に、明らかに大きな調整が起きるであろうと指摘する人もいます。
国債価格が大幅に下落するような場合、「預金封鎖」のような措置が取られる可能性もあります。
預金封鎖では、政府が国民の銀行口座をロックし、お金の引き出し上限が設定されます。
その後税金が課金されて、資産の一部が強制的に徴収されることになります。
預金封鎖は絵空事ではありません。
直近のギリシャで預金封鎖が起こっています。 「日本で預金封鎖が起きる、起きない」を考えるより、「起きた場合どうする」を考えておくのが良策でしょう。
預金封鎖の予兆は?
日本でも戦後の混乱の時期に預金封鎖が実行されました。
「元日銀マンが教える預金封鎖」という書籍では面白いエピソードが紹介されています。
預金封鎖実施に当たって、預金封鎖用の用紙を大量に印刷しなければなりませんでした。
そこで、隠密裏に政府は各地の印刷所に大量の発注をかけたといいます。
もし、あなたの知り合いに印刷会社の人がいて、「政府からの発注が急に増えているよ」と言っていたら、危ないサインかもしれません。
もっとも官僚はいろんな手口を繰り出します。
今はデジタルの時代ですから、「紙は廃止ですべて電子マネーにする」というウルトラCを繰り出すかもしれませ。気を付けましょう。
預金封鎖で恩恵を受ける銘柄の種類は?
実際預金封鎖となれば、更に経済は混乱し、多くの株が下げることになると予想されます。
しかし株式市場では暴落の時でも逆に上がる銘柄もあります。
考えられるのは以下のような種類です。
●オークション関連
預金封鎖の場合、銀行より引き出せる金額が一定額になります。
更にお金が必要な場合には、保有している実物資産を売りさばいて確保せざるを得ません。
現在大手のヤフオクはじめ、ネットではオークションが気軽に行えます。
オークション関係の会社の業績は期待できることになります。
●円安、債券ベアのETF
債券の先物売りという手もありますが、個人にはなかなか手をだしにくいものです。
そういう場合には日本弱気型ETFでのヘッジがいいかもしれません。
ただしこのようなETFは予想外の動きをする場合もないとはいえまえん。
どちらかというプロ、セミプロ向け商品といえるかもしれません。
●高海外売上比率、高配当、ディフェンシブ
国債が売られ円安傾向になれば、海外売上の多い企業のほうが有利となります。
更に配当の多い会社であれば、配当金が臨時収入となって有難いかもしれません。
また、薬品や公益などのディフェンシブ銘柄であれば、下げ相場でも比較的安心です。
「高海外売上比率、高配当、ディフェンシブ」に当てはまる銘柄は、資産防衛には心強い銘柄になるかもしれません。
●資金繰り関連
中小企業の場合は特に資金繰りに苦労する可能性があります。
バブル崩壊後の日本で、貸し渋りのさなかに資金繰りを支援していたのは良くも悪くも「サラ金」や「商工ローン」などの金融会社です。
資金繰りを支援してくれる会社のなかには、上昇株が出てくるかもしれません。
●与信情報関連
また与信情報提供会社は、ビジネスの相手選びにますます欠かせないものとなるでしょう。
リーマンショックの暴落時には、与信関連の企業が注目されました。
預金封鎖対策のポートフォリオは?
預金封鎖の時には、何が正解になるかはわかりません。
準備としては、とにかく分散しておくのがセオリーとなります。
ただし、くれぐれも怪しげな勧誘などにひっかからないようにしましょう。
銀行や証券口座は複数にしておく
もし預金封鎖が実行されるとしても、どのような制限になるかは現段階ではわかりません。
可能であれば、銀行口座でも複数に分けておくことがよいでしょう。
銀行でも、大手銀行で2か所にするよりは、ゆうちょ・大手銀行・外資系銀行・地方銀行のような分け方の方が安心できます。
どこでどういう特例になるかはわかりません。
家族で分散しておく
預金封鎖ともなれば、国中が混乱する事態です。
やはり頼れるのは家族や親族でしょう。
親・兄弟で口座を分散させておくのも、考えておくとよいでしょう。
キャッシュ比率を高めておく
預金封鎖では、銀行から引き出せるお金が制限される可能性が高いです。
そこで、普段からキャッシュをタンス預金しておくのも無駄になりません。
ただし過度の手持ちキャッシュはやめておきましょう。 政府もそのあたりはお見通しで、「新貨幣への切り替え」と「一度に切り替えできる金額の制限」...などの技で結局手持ちキャッシュを使えないようにしてくるはずです。
口座やキャッシュ以外の分散
銀行や証券口座、タンス預金以外にもいろいろと分散しておくことができます。
代表的なのは金などのコモデティや不動産。
また外貨や会社株式。 美術品や骨とう品、クラシックカーにワインなどなど。
また、ビットコイン、リップル、ステラなどの仮想通貨も若干持っておくのはいいかもしれません。
とはいえくれぐれも自己リスクでお願いいたします。
預金封鎖で役立つ書籍は?
前述の「元日銀マンが教える預金封鎖」は、預金封鎖の事例、そして対応策が紹介されています。
特に戦後の預金封鎖の事例は参考になるかもしれません。
他にも預金封鎖関連の書籍を紹介します。
預金封鎖
副島さんには「預金封鎖」という著書があります。
ただし2003年の本なので内容は若干古くなっています。
花の嵐
今は亡き経済小説の第一人者、清水 一行さん。
彼の作品の一つに、小佐野賢治さんの半生をテーマにした「花の嵐」という小説があります。
小佐野賢治さんといえば、ロッキード事件で覚えている人も多いことでしょう。
もともと商才巧みな人で、戦時中も政商として活躍したようです。
ところがその小佐野さんといえども、得意先の軍が負け、戦後直後の焼け野原の状態ではやれることはほとんどありませんでした。
そんなさなか、インフレが増進。政府は預金封鎖をいきなり実施しました。
しかし、小佐野さんは間一髪セーフでした。 その理由は....
小説なのでどれだけ事実かはちょっとわかりません。
が、読み物としても面白く、預金封鎖関連としても参考になるかもしれません。
預金封鎖 実践対策編
副島さんの「預金封鎖 実践対策編」でも、小佐野さんや五島慶太さんらが預金封鎖に乗じて資産を増やしたトリックについて説明されています。
また戦後の預金封鎖の経緯なども紹介。 預金封鎖対策として金や銀行融資、不動産などについて説明されています。
こちらは2005年の本になります。